A.I.(ARTIFICIAL INTELLIGENCE)
2001年・アメリカ映画
- 出演
- ハーレイ・ジョエル・オスメント Haley Joel Osment デイビッド
- フランシス・オコナー Frances O'Connor モリカ・スウィントン
- ジュード・ロウ Jude Law ジゴロ・ジョー
- サム・ロバーズ Sam Robards ヘンリー・スウィントン
- ブレンダン・グリーソン Brendan Gleeson ジョンソン
- ジェイク・トーマス Jake Thomas マーティン
- ウィリアム・ハート William Hurt ホビー博士
いまだに惜しまれるのは、キューブリック監督がこの作品を撮らなかったこと。私の知り合いの人によると、彼はこの作品に異常なまでに入れ込んでいたらしい。
だからこそ、よけいに残念でならないのは・・・
- 代わりにスピルバーグ監督がこの作品を撮ってしまったこと。
- スピルバーグ監督って、「冷たい視線」で物を見れないこと。
- 悪魔的な視線が備わっていないこと。
- キューブリックの、あの芸術にも近い「時計仕掛けのオレンジ」や「シャイニング」の悪魔的魅力が、この映画には全く出ていないこと。
だから、A.I.の少年が、救いようもなく悲しいキャラとなってしまう。
どんなにスピルバーグ監督が、「もう僕はピーターパンじゃないんだよ。大人の映画を作れるんだよ」とがんばっても、子供の純粋な心を持った少年が作った、胸が詰まる作品になってしまう。
すべてが悲劇。
小さい頃に、スピルバーグがピノキオで泣いた気持ちが、そのまま。人魚姫で泣いた気持ちがそのまま。
童話のもつ悲劇の、救いようのなさが、そのままこの映画に現れているのです。
彼の素晴らしさは、感動をそのまま表現できること。でも、この映画で、彼は無理に大人になった(?)視線で「悲劇から目を背けよう」としているから、よけいに救いがなくなってしまうのです。
この映画でぼろぼろ泣きました。でも、感動したから泣いたわけじゃない。あまりにも辛くて泣いたのです。
「時計仕掛けのオレンジ」や「シャイニング」は、怖くても、不快になっても、何度も観たい映画です。でも、この映画は、二度と観たくない映画です。