ゾンビ/ダイレクターズ・カット完全版

dekupi2004-08-25

1978年・アメリカ映画

言うまでもなく「ゾンビ」の定義を確立したロメロ監督の「ゾンビ・シリーズ」第2作。(第一作は「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」)

彼の作ったゾンビ像とは・・・

  • 頭を攻撃されると死ぬ(←ん?もともと死んでいるから何になるんだろう?)
  • 「あー」「うー」という声を出しながら、手を前に出してよたよたと歩く
  • 顔が青白い(後世のゾンビは、もっとグロテスクになりましたが・・・)
  • 物音に反応して近寄ってくる(静かにしていれば大丈夫)
  • 火に弱い
  • 生きていた頃の名残を覚えている(ショッピングセンターに集まるなど)
  • 道具を使うことができる
  • 多少の知能がある

それと、「ターミネーター」や「ランボー」などで火がついたように思われますが、武器をがちゃがちゃと装着したり、弾を銃にこめたりする「戦いの準備」のシーンを作り出したのも、実はこの映画。あとからいろんな監督が真似したのですが、この当時はとっても斬新だったのです。

というわけで、仕上がりはB級なれども、オリジナルという点では、見ごたえがある作品です。

私は実はロメロ監督の「ゾンビ3部作」の大ファンです。この作品も、いろんなバージョンを見てきましたが、自分としては、この「完全版」がやっぱり一番!カットされていたシーンが、再び見れるのが嬉しい。

何が面白いって、やはり4人のサバイバーたちが、先住民(?)のゾンビを閉め出して、ショッピングセンターを占拠するところでしょうね。ここで、一躍、彼らが勝ったか?と思わせる。

このゾンビとの縄張り争いに勝つまでに、ロジャーを失って3人に減るものの、一見彼らは素晴らしい平和を手に入れたように思われる。

山のようにある食料。豊富な武器。生活必需品。すべてが彼らのもの。

この狭くも安全な世界の中で、少しづつ3人の調和が乱れていくのが面白い。それと、妊娠してお腹がどんどん大きくなるフランシーンの姿で、時間の経過を見せるところなども。